宝塚歌劇の生徒個人の私設ファンクラブである《会》について、ご存知でしょうか?
《会》に入るとどんな活動ができるのかな?
入出待ちやお茶会などの楽しい活動がたくさんできますよ!
《会》は劇団が運営しているわけではないため、その実態や活動内容がベールに包まれていると感じる方も多いかと思います。
このページでは宝塚歌劇の独特な文化の一つでもある《会》について、活動内容・ルール・費用・入会方法などをご紹介いたします。
私設ファンクラブ《会》とは?
はじめに、宝塚歌劇にはオフィシャルファンクラブである《宝塚友の会》があります。
《宝塚友の会》の詳しい内容については、コチラの記事を参考にしてみてください。
そして生徒個人の私設ファンクラブとして、《会》と呼ばれるファンクラブ(FC)が存在しています。
「宝塚友の会は公式・会は非公式」と表されることがありますが、厳密には非公式とは言えないかもしれません。
それは、団体で確保したチケットを捌く権利や生徒のマネージャーのような役割も担っているためです。
全ての生徒に《会》があるわけではなく、宝塚歌劇団に入団して3年以内の生徒やトップ娘役以外の娘役には会が無いことがほとんどです。
娘役に会が無い理由としては、宝塚歌劇は男役ありきの文化で主に男役にファンが多く付くため。
上級生であっても、(トップ娘役以外の)娘役に会が立てられることはほとんど無いようです。
【Youngプラス#85】
— 【公式】タカラヅカ・スカイ・ステージ (@skystage_info) June 14, 2023
今回は、『Lilacの夢路』の新人公演で確かな存在感を示した、雪組103期男役の壮海はるまと104期娘役の愛陽みちが登場✨ 明るいトークで和気あいあいと盛り上がります。また、凪七瑠海と眞ノ宮るいが寄せた貴重すぎるコメントも必見😍 明日15日(木)18:30~の初回放送をお楽しみに‼️ pic.twitter.com/7Q2Ubw9MpE
新人公演などで主要な役が付きファンの人数が増え始める頃から会が立てられ、概ね入団5年目以上になるとほとんどの生徒に会が存在するようになります。
また、《会》のリーダーであり、生徒の送り迎えや身の回りのお手伝いなどマネージャーのような役割を担う人を“代表”と呼んでいます。
宝塚大劇場と東京宝塚劇場での本公演期間が長くなるため、東西それぞれで運営を分けていることが多いようです。
ただし会は宝塚歌劇団が運営しているわけではなく、あくまでも私設。
公式ホームページなどを持っておらず、インターネットなどで正式な情報を確認することが難しくなっています。
大まかなシステムや活動内容・入会方法などについては、どの会も概ね同様です。
しかしルールや活動費用などについては《会》によって異なりますので、あくまでも参考程度に読んで頂けたらと思います。
他には中々無いシステムですので、宝塚歌劇の独特な文化の一つとして楽しんでみてくださいね。
管理人シトロンも、とある会に入会していたことがありますので、その時の経験を思い出しながらご紹介して行きたいと思います^^
活動内容
《会》の活動内容としては、主に下記のものがあります。
ただしコロナ禍より入待ち・出待ちは中止のままのようなので、現在はチケットの取り次ぎや総見、グッズの購入程度の活動となるかと思います。(会により異なります)
入待ち・出待ち
“宝塚のファンクラブ”と聞いて初めに思い描くのは、“劇場前に綺麗に整列して入待ちや出待ちをするファンの姿”という方も多いのではないでしょうか?
宝塚では入待ち・出待ちのことを「ガード」と呼び、生徒さんを一般のお客さんや通行人から「ガード(守る)する」という意味だそう。
また、「ガード」の後方から入出の様子を眺める一般のお客さんのことを「ギャラリー」と呼びます。
入待ち・出待ちでは、公演についての話題やプライベートなお話が聞けたり、直接お手紙やプレゼントを渡せるのが会員の最大の特権。(プレゼントはNGの会もあります。)
お手紙は生徒さんが読みやすいよう、封筒ではなくポストカード指定の場合が多くなっています。
キャトルレーヴでポストカードが発売されている生徒さんは、そのポストカードを購入して使用する方が多いようです。(その生徒への貢献に繋がるため)
会員が多い会や生徒の公演前後の予定によっては、一言お話を聞いてお手紙は回収になる場合も。
バレンタインデーやクリスマスなどに合わせたイベントや、他の会とのコラボイベントが開催されることもあります。
入待ち・出待ちに参加するには、「会服」と呼ばれるストールやパーカーなどのグッズを購入し身に付けて参加します。
「会服」は公演ごとに変わるため、毎回新たに購入する必要があります。
過去の様子をご覧になりたい方は、Xで「入り 〇〇(生徒名)」で検索してみてください…
チケットの取り次ぎ
会員は、公演ごとに会で確保しているチケットの取り次ぎを受けることができます。
会で確保しているチケットを“会席”と呼びます。
他に“生徒席”と呼ばれるものがありますが、そちらは生徒さんがご家族やお知り合いなどのために用意される席のことを指します。
会から取り次ぎされたチケットは、会のロゴやお写真などが入った素敵なチケット封筒に入れてもらえます。
公演ごとに作製されるため、封筒のデザインも楽しみの1つとなります。
ただし、チケットが確実に用意されるわけでは無いため、チケット目的で入会することはオススメできません。
チケットの取り次ぎは、“会への貢献度順”に配分されます。
貢献度の基準は明確にされているものではありませんが、会歴の長い方・お茶会の申込み人数が多い方・チケットの購入枚数・入出待ちの回数などによるようです。
そのため入会したばかりの方や貢献度が少ない方は、取り次ぎを受けられる確率が低くなるようです。
取り次ぎされるチケットの枚数に関しては、会の規模などにより異なります。
一般のチケット同様に、東京での本公演や別箱公演、人気の演目や退団公演は厳しくなります。
チケットの取り次ぎ結果については、希望する公演に申込み後、公演日の1週間前〜3日前に分かることが多いようです。
そのため申込みした日時を全て空けておく必要があり、基本的にキャンセルはできないというルールになっています。
(どうしてもという場合は、友人などに代理を頼むか、それぞれの会のルールにより融通を利かせて貰える場合もあるかもしれません。)
チケット代金は事前振込が基本となっており、もしチケットが用意されなかった場合は公演終了後に返金されます。
(追加チケットの際は当日支払いの場合もあります。)
なお、チケット代金の他に“サポート代”が必要となる場合がほとんどです。
(過去にはお花代と呼ばれていました。)
任意の場合もあるようですが、概ね1口500円や1,000円〜と設定されていることが多いようです。
サポート代は生徒さんの身の回りや会をサポートするための費用で、チケット封筒やお礼状作成のための費用などにも当てられているようです。
お茶会への参加
宝塚における「お茶会」とは、いわゆるファンミーティングのようなもので生徒さんとファンとの交流の場です。
下級生や娘役で《会》自体が発足されていない場合は、「お茶のみ会」や「親睦会」などと呼ばれたりもします。
公演期間中の土日どちらかの公演後に行われることが多く、開催時間は1時間ほど。
場所は喫茶店からホテルの宴会場まで、参加人数の規模に合わせて様々です。
トークタイムでは、公演中のエピソードや作品・役柄への思い、組内の様子やプライベートのお話などを直接聞くことができます。
お茶会に参加できるのは、会員はもちろんのこと非会員でも参加できることがほとんど。
参加したい場合は、会員の方に取り次いでもらうか、生徒さん宛のお手紙に参加希望であることを伝えると申込用紙が送られてくるようです。
ただし、退団前最後のお茶会など、稀に会員限定となる場合もあります。
「お茶会」の詳しい内容については、コチラの記事を参考にしてみてください。
宝塚ファンになったら、1度は参加してみたいと思うのが「お茶会」ですよね。
間近で見る生徒さんは、とっても色が白く透明感に溢れていて、一般人とは全く違うオーラや美しさを感じられるかと思います。
特に男役さんは舞台では補正をしているため、とても華奢な体型に驚かれるかもしれません。
お茶会に参加してみると、芸事に真摯に向き合う姿やお客様を楽しませたいという心意気が伝わってくるので、より応援したいという気持ちが強くなるかと思います。
気になる生徒さんがいる方は、ぜひ一度参加してみてくださいね^^
会総見・組総見への参加
「会総見」とは、会員が特定日に集まって観劇するイベントの1つです。
会席の範囲は生徒さんに伝えられているため、ショーがある公演ではウインクや目線などが飛んで来たりするのが醍醐味。
また、「組総見」は、同じ組内の他の生徒さんの会と一緒に観劇するイベントのこと。
「会総見」や「組総見」は会員でなくても参加できる場合があり、会員の方を通してお誘いがあったりもします。
総見でしか手に入らないグッズなどのお土産がもらえる場合もあります。
グッズの購入
会独自の「グッズ」は、ハンカチやポーチなど身の回りの物や文房具、キャトルレーヴでは手に入らないブロマイドやカレンダーなどがあります。
写真などで目にしたことがある方も多いのではないかと思いますが、芸名の入った千社札も会で作製し販売しています。
グッズは主にお茶会の際に購入できますが、別途申込みにて販売される場合もあるようです。
退団セレモニーへの参加
(例外を除いて)宝塚歌劇団の生徒に必ず訪れるのが退団。
生徒さんが退団を発表すると同時に、会の活動も終盤へ向かって行くことになります。
流れとしては、会員にのみ送付される退団の挨拶が記された「白封筒」を皮切りに、最後の公演・最後のお茶会と続きます。
東西それぞれの本公演の千秋楽10日前には、楽屋内の生徒さんの化粧前が真っ白に飾り付けられ、会員は入出待ちで真っ白な会服を身に付けるようになります。
千秋楽当日の早朝、会員は全身真っ白なコーディネート(白装束)で集合し、劇場前に整列して生徒さんの最後の入りを飾ります。
千秋楽後の出待ちも同様に、劇場前に整列して生徒さんの最後の出を飾ります。
出を見送った後、ホテルの宴会場などでフェアウェルパーティが開催され、生徒さんの卒業を祝うという最後のイベントが催されます。
会によっては、千秋楽の数日後か数カ月後に「解散式」と呼ばれるイベントが開催されることがあります。
白封筒は公式発表の前に送付されることがあるので、口外はご法度です!
会のNGルール
会の「NGルール」については、それぞれの会に独自のルールが設けられていますが、全ての会に共通しているのは概ね以下のものとなります。
掛け持ちは禁止
他の生徒さんの会を掛け持ちすることはできません。
会に入会するということは、「その生徒さんを1番に応援したい!」という意思表明。
生徒さん側になって考えると、やはり自分だけを一途に応援してくれる方が嬉しいものですよね。
会で得た情報や写真などをSNSなどに載せない
会で得た情報について、SNSなどのインターネット上に載せることは禁止とされています。
「会で得た情報」とは、入出時間など生徒さんに関する情報はもちろんのこと、会でしか購入できないグッズや写真、資料などのことを指します。
お茶会での内容については、“レポ禁”の案内があった場合はSNSなどに内容を載せることができません。
なぜレポ禁(レポート禁止)なのかという理由については、様々な解釈があるようですが、生徒さんの発言内容を「ご本人の意図とは異なった解釈で拡散されてしまう可能性がある」ことを避けるためではと考えています。
フェアウェルパーティについては、以前は“レポ禁”の案内があっても無くてもSNSには載せないというのがルールとなっていたようですが、最近ではレポOKの場合も多いようです。
プレゼントや差し入れに食べ物は避ける
コロナ禍では、プレゼントなどの差し入れ自体が不可となっていることが多いかと思います。
もし可能だった場合には、食べ物以外のものを差し上げるようにしましょう。
暗黙のルール?
会のルールについては上記のものが一般的となっていますが、この他に「暗黙のルール」というものが存在しているという噂も。
「暗黙のルール」だなんて、ちょっと怖いですよね。
宝塚のファンクラブは未だにアナログで独特な世界だと感じますし、一般的な常識と掛け離れているなと感じることもあるのが本音です。
しかし個人的にはあまり気にしすぎても楽しくなくなってしまいますし、まずは常識的な行動を取っていれば問題ないと思います。
入会すると少しずつ内情が分かって来るでしょうし、他の会員の方とコミュニケーションを取るようになれば、色々と教えてくださる方もいらっしゃいます。
そもそもルールが暗黙である必要は無いと思いますので、もしこちらのページでお伝えできるルールが分かった際には、随時更新し共有して行ければと思っています。
活動費用
《会》に入会し、活動する上で必要となる費用については、概ね下記のとおりとなるかと思います。
ただし、《会》によって異なりますので、参考程度にしてみてください。
- 入会費 1,000円程度
- 年会費 4,000~8,000円程度
- 取り次ぎのチケット代(それぞれ)
- サポート代 1口500円または1,000円〜(チケット代とは別)
- 会服代 3,000~7,000円程度(東西で異なる場合もある)
- お茶会 5,000~8,500円程度(東西で開催される)
- 遠征費 交通費や宿泊費など
チケット代に関しては、申込みした枚数分の事前振込が基本となっているため、ある程度まとまったお金が必要になります。
取り次ぎのチケット代やサポート代などが《会》での貢献度として現れてくるわけですが、上には上がいますので、他人と競うことのないよう自制するのも大切。
また、退団が決まると様々な経費が必要になります。
例えば、通常の会服の他に白い会服、千秋楽の入出に必要なグッズ類、フェアウェルパーティ代(30,000〜40,000円程度)などが必要になってきます。
それぞれが自分にできる範囲で、マイペースを守って会活動を楽しみましょう。
入会方法
《会》への入会方法については、下記3つのどれかになります。
生徒さん宛にお手紙を送る
宝塚歌劇には、生徒さんにお手紙を書く文化があります。
ファンレターではなく“お手紙”と呼ぶのも、宝塚ならではかもしれません。
会への入会方法として1番オーソドックスなのは、生徒さん宛に入会希望のお手紙を送るという方法になります。
「ファンクラブに入会したい」という一言を添えて、下記の2点を同封すると良いでしょう。
☆自分の氏名と住所を記載したメモやカード
☆返送用の切手(84円切手/2023年3月現在)
お手紙を書いた便箋とメモやカードを別にしておくことで、生徒さんが会の代表さんやスタッフさんに渡し、スムーズに入会申込書発送の準備をしてくれます。
生徒さんは全てのお手紙に目を通していますので、しばらくすると「入会申込書」が送られて来るはずです。
お手紙の宛先は下記になります。
ファンレターは、組名、出演者名を明記の上、下記までお送りください。
〒665-8585 宝塚市栄町1丁目1番57号 宝塚歌劇団
<出演者が東京宝塚劇場公演中の場合>
〒100-0006 東京都千代田区有楽町1丁目1番3号(東京宝塚ビル)東京宝塚劇場
その他の劇場公演中は、上記の宝塚歌劇団(兵庫県)までお送りください。
https://kageki.hankyu.co.jp/faq/faq04.html
別箱公演や全国ツアーに出ている場合は対応が遅くなるかもしれませんので、気長に待ってみましょう。
もし1〜2ヶ月待っても音沙汰がない場合は、再度お手紙で伝えてみると良いかと思います。
会のスタッフに声を掛ける
次に、公演中に劇場前でチケット出しをしているスタッフさんに声を掛け、「会に入会したい」ということを伝える方法です。
チケット出しをしているスタッフさんの見つけ方は、「入会したい生徒さんの名前が書かれたプラカードや箱を持った方」を探します。
初めての方は少しハードルが高いかと思いますが、当たり前のように応じてくださると思いますので安心してください。
ただしタイミングによっては対応が難しい場合がありますので、チケット出しが終了した頃合い(開演15分前以降)が良いかと思います。
難しい場合は、1の「生徒さん宛にお手紙を送る」という方法を取りましょう。
もしお目当ての生徒さんの名前が見つからなければ、会が立てられていない可能性もあるため、まずは生徒さん宛にお手紙を書いてみましょう。
会員に取り次いでもらう
もしお友達や知り合いに会員がいる場合は、その方に取り次いでもらいましょう。
会の様子や雰囲気などを事前に聞くことができるので、安心できる方法かと思います。
メリット・デメリット
《会》に入会する上でのメリット・デメリットを簡単にまとめました。
まとめ
今回は、宝塚歌劇の生徒個人の私設ファンクラブ《会》についてご紹介いたしました。
《会》は劇団が運営しているわけでないため、その実態や活動内容がベールに包まれていると感じる方も多いようです。
入会することで得られる最大のメリットは、お目当ての生徒さんを様々な形で直接応援できること。
入出待ちで生徒さんに直接お手紙を渡したりお茶会に参加したりと、楽しいイベントを楽しむことができます。
デメリットとしては、やはり自制をしなければ永遠に費用が掛かってしまうことや、人間関係を選ばないと無駄に競い合ったり嫌な思いをしてしまうことなどでしょうか。
そこは他人に流されないというマイルールを持って参加することで、自由に楽しく活動に励めるかと思います。
他には中々無いシステムですが、宝塚歌劇の独特な文化の一つとして楽しんでみてはいかがでしょうか♪
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