【初心者向け】宝塚音楽学校ってどんな学校?

アイキャッチ 宝塚音楽学校とは 宝塚歌劇の基本

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宝塚音楽学校といえば、ニュースなどで目にする“合格発表の様子”が印象に残っている方も多いのではないでしょうか?

宝塚音楽学校って、一体どんな学校なのかな?

宝塚音楽学校は、宝塚の舞台に立つことを夢見る少女たちが1番初めに目指すところです。

最近では、テレビ番組で受験スクールの様子などを紹介されることも多く、なんとなくご存知の方も多いかもしれませんね。

今回は、宝塚音楽学校の受験資格授業内容、文化祭やすみれ募金などの行事、厳しい校則やルールなどについてご紹介いたします。

宝塚音楽学校を知ることで、より宝塚歌劇の舞台を楽しめるようになりますよ♪

 

宝塚音楽学校の基本情報

《宝塚歌劇団》に入団するには、15〜18歳の間に《宝塚音楽学校》を受験して入学し、2年間のカリキュラムを受けなければなりません。

つまり、宝塚音楽学校は宝塚歌劇団の団員を育成するための養成所となります。

宝塚音楽学校は学校法人で、予科・本科合わせて2年制。

校訓は「清く 正しく 美しく」

前身となる《宝塚唱歌隊》から、1919年に私立学校として認可が下り《宝塚音楽歌劇学校》を設立。1946年に《宝塚音楽学校》と改めました。

応募資格は、「15歳〜18歳までの容姿端麗で、宝塚歌劇団の舞台人に適する者」。

昨今では、合格者約40名に対し全国から約1,000名の受験者が集まり、倍率は25倍前後という狭き門となっています。

 

入学試験

バレリーナたち

入学試験の募集要項や、試験内容についてご紹介いたします。

受験資格

宝塚音楽学校の受験に応募できるのは、どのような人物なのでしょうか?

募集要項の受験資格として、下記の記載があります。

募集要項

募集人数:約40名

応募資格:
15歳〜18歳までの女子。(受験時に中学卒業あるいは高等学校卒業又は高等学校在学中)
容姿端麗で、卒業後宝塚歌劇団生徒として舞台人に適する方。

受験料:第1次試験受験料 10,000円 / 第2次試験受験料 20,000円(第3次試験も含む)

引用:http://www.tms.ac.jp/guidance/admissions.html

15〜18歳までという年齢制限があるため、最大で4回の受験が可能となります。

また、“容姿端麗”というのは他には中々ない項目ですよね。

こちらで言う容姿端麗というのは、顔立ちだけでなく顔や頭の大きさや体型、首の長さなどを含めた頭身バランスが良いことを指します。

ご存知のように宝塚歌劇の舞台メイクはとても濃いため、目鼻立ちがはっきりとした顔立ちより、薄めの方が舞台メイクが映えるとされています。

薄めと言っても鼻筋が通っており、顎がしっかりとしている方が多いようです。

輪郭については、男役は面長娘役は丸顔が理想と言われています。

そのため、宝塚歌劇で言われる“容姿端麗”とは、世間一般のイメージとは少し異なるかもしません。

 

入学試験の科目

続いて、入学試験の科目についてです。

入学試験

第1次試験:面接 (宝塚音楽学校または東京会場にて実施)
第2次試験:面接・歌唱・舞踊 (宝塚音楽学校にて実施)
第3次試験:面接・健康診断 (宝塚音楽学校にて実施)

引用:http://www.tms.ac.jp/guidance/examination.html

入学試験科目の「面接・歌唱・舞踊」からは、最低限の実力だけでなく、将来性や個性・才能・熱意なども重視しているようです。

宝塚音楽学校を受験する方たちは、幼い頃から宝塚の舞台に憧れ、専門の受験スクールなどでバレエや声楽などの基礎的な技術や内面を磨き、厳しいレッスンに耐えて来た人が大多数。

その一方で、受験前まで何の経験もなく、短期間で準備し合格したというスターもいます。

宝塚の舞台人としてふさわしいスター性や輝きに加え、「絶対に夢を叶える!!」という内面から溢れ出るような情熱を持った人が、狭き門を突破できているようです。

 

授業内容

宝塚音楽学校の授業は、声楽・ピアノ・ソルフェージュ・演劇・バレエ・日舞・各種ダンスなど、実技の授業がほとんどの時間を占めています。

それは、宝塚歌劇の舞台に立つ上で必要な能力を身に付けるためには、実技が基本となるからです。

また、学校教育法上は兵庫県認可の“各種学校”に当たるため、希望者は「高校卒業単位取得授業」を追加で受ける事ができます。

授業のある曜日は月曜日から土曜日までで、朝から夕方までみっちりと組まれています。

年間行事などのスケジュールは、下記のとおりです。

引用元:宝塚音楽学校公式ホームページ

授業の他、毎日早朝から校内を丁寧に掃除(予科生のみ)し、授業後の自主練や休日の個人レッスンなど、とても忙しい日々を送っています。

試験については、中間試験や期末試験のほか、本科の卒業試験で2年間の成果を審査され、所定の成績を修めることが卒業の必須条件となります。

本科では、卒業後の舞台生活に備え、“劇場実習”“化粧実習”などが行われます。

“劇場実習”は舞台と舞台裏のシステムについて見学し勉強する実習で、“化粧実習”は舞台化粧の技術を宝塚歌劇団の上級生から教わる実習です。

文化祭

ステージ

本科の卒業前となる2月には、卒業公演として宝塚大劇場併設の宝塚バウホールにて“文化祭”を実施します。

宝塚音楽学校の文化祭は、一般の高校の文化祭とは異なり、2年間の成果を観客に披露する1つの公演のような認識です。

開催期間は2日間で、1日2回・全4回の公演。

披露される内容は、日舞・ダンス・歌・演劇などで、構成や演出は宝塚歌劇団の演出家も行います。

配役については、成績などを重視して割り当てられるそう。

主に本科生が主体となりますが、予科生もコーラスで参加します。

文化祭を観劇できるのは、予科生や本科生のご家族や関係者の他、一般の人も観劇できます

一般のチケットは宝塚歌劇Webチケットサービスで販売され、パンフレットは《キャトルレーヴ》でも販売されます。

タカラジェンヌの卵を見守るのも宝塚ファンの楽しみの1つでもあるため、チケットは毎年争奪戦となります。

 

すみれ募金

すみれ

宝塚音楽学校では、教育の一環として《すみれ募金》という社会貢献活動を実施しています。

1964年から始まり、2010年からは「日本ユニセフ協会」、2016年からは「公益財団法人チャイルド・ケモ・サポート基金」に寄付するようになりました。

すみれ募金に参加するのは、予科・本科全員で、毎年5月の日曜日に宝塚大劇場の正面ゲート内にて行われます。

正装である緑の袴と着物はそれぞれ用意したものを着用し、とても華やかな雰囲気となります。

募金箱を持って協力を呼びかけ、募金をした方にすみれの花(造花)を渡すため、《すみれ売り》とも呼ばれています。

予科生は、宝塚音楽学校に入学しわずか1ヶ月での参加となるため、緊張した面持ちで呼び掛けを行う微笑ましい姿が見られます。

また、生徒と一緒に写真を撮影できる(コロナ禍では中止)ため、いち早く未来のスターを見つけるべく宝塚ファンが集ってきます。

校則とルール

宝塚音楽学校の校則は、礼儀作法マナーとても厳しいことで有名です。

舞台人としてだけでなく、一人の女性として・社会人としての教養を高めるため、厳しくなっているのだそう。

また、校則とは別に(予科生には)不文律ふぶんりつという暗黙のルールが存在してきました。

不文律は生徒たち自身が考えたもので、先輩から後輩へ代々受け継がれてきた“しきたり”のようなもの。

しかし近年では一般の学校でも問題視される声が多く、宝塚音楽学校でも同様に、時代に見合わない規則を見直すという動きが出ているようです。

現在は既に廃止されている不文律も、OGの方のエピソードとして広まっているものもあります。

 

不文律の一例とその理由をご紹介します。

ただし、宝塚音楽学校が正式に提示しているものではないため、参考程度に楽しんで読んでいただければと思います。

宝塚音楽学校の不文律(一例)

◆登下校の際や校内で、嬌声や笑い声をたてない
 →舞台上でトラブルが発生した際に、落ち着いて対応するため。

◆本科生の前で笑顔を見せてはならない。(基本的に無表情でいる)
 →舞台上で突発的なことが起きた時に、感情を表さないための訓練。

◆姿勢を正して真っ直ぐ前を見つめ、おしゃべりはせず、複数の際は2列に整列し早足で歩く
 →大勢がいる舞台袖などで、人にぶつからないため。

◆私服は黒・白・グレーで、赤い物を着てはいけない。
ブランド品を持ってはいけない。
 →華やかな舞台に立ち華やかな衣装を着るため、普段は節制して過ごす。

◆プライベートでの化粧は禁止
 素顔の自分に自信を持てるようになるため。

◆阪急電鉄に乗車する際は、最後尾の車両に乗らなければならない。
◆車内での着座は厳禁
 →宝塚歌劇団の親元である阪急電鉄を利用するお客様への感謝を示すため。

◆電子レンジや目覚まし時計などの音を鳴らさない。(音が鳴る前に消す)
 →予科生は早朝の掃除のために早起きするが、先輩を起こさないようにするため。

一般人には少し理解し難いルールに感じるものもあるかもしれませんが、理由を見ればなるほどと思うものもありますよね。

一方で、睡眠時間を削られるなどの行き過ぎたルールにより体を壊してしまった生徒も出ており、時代錯誤なルールは廃止されたものもあるようです。

現在は廃止された不文律

◇予科生は、遠方の本科生と阪急電車に大声で挨拶しなければならない。
◇下車駅では走り去る電車を最敬礼で見送る。
◇「予科顔」と呼ばれる、眉を寄せ口角を下げた悲しげな(真剣な)表情であること。
◇本科生への応答は原則「はい」「いいえ」のみ。謝罪・謝礼の言葉以外であってはならない。
◇一人の違反者が発覚したら、他の者も自分の違反を自発的に申告しなければならない。
◇予科生一人一人に掃除の場所を割り当てられており、前年の担当者が1対1で教育する。

宝塚歌劇団の生徒やOGのインタビューなどで、必ずと言って良いほど出てくるのがこの不文律の話題。

廃止された不文律の中にもある“お掃除分担の話”などは、楽しかった思い出の1つとして話されることも。

そのため、必ずしも厳しいと感じている生徒ばかりではありません。

しかし、時代により人の体や世間の考えは変化するため、柔軟に見直す事が必要かもしれませんね。

 

費用について

ピンクのぶたの貯金箱

宝塚音楽学校の授業料などの必要な費用について、公式ホームページには下記のように記載されています。

引用元:宝塚音楽学校公式ホームページ

2年間で掛かる費用を合計すると、約233万円となります。(寮に入った場合)

思っていたより良心的に感じるかもしれませんね。

しかし、授業で使用するバレエのレオタードやシューズなどは消耗品となり、日舞のためのお着物一式や小物なども必要になってきます。

また、芸事の実力を上げるためには、学校の授業の他に個人レッスンを受ける必要も。

授業料などの他にかかる費用にはきりがないため、ある程度余裕のあるご家庭でないと厳しくなってしまうようです。

受験スクールの費用

宝塚音楽学校を受験するにあたり、専門の受験スクールに通う方がほとんどのようです。

受験スクールは宝塚歌劇団のOGの方が指導されている場合が多く、試験対策や内部事情に詳しいため、通うことを選択する方が多いようです。

そのため、宝塚音楽学校の受験を考えるのであれば、同時に受験スクールの費用も必要となってくるかと思います。

 

具体的な内訳としては、月謝・交通費・衣装代・各講習費(夏期講習/冬期講習/直前講習など)・発表会の参加費・お礼代など、その他諸々。

狭き門である宝塚音楽学校を目指すのであれば尚更、上を目指せば目指すほど費用がかさむものです。

こういった芸事の費用は、大方の総額が決まっているわけでは無いため、具体的な金額を上げることはできません。

状況によっては宝塚音楽学校に入学後の費用よりも、受験のための費用の方が高額になる場合もあるようです。

また、スクールの費用とは別に、脱毛や歯列矯正などの費用が別途必要になってくる場合もあります。

宝塚歌劇団入団後に掛かる費用

宝塚歌劇団へ入団後も、さらなる実力を上げて行くには個人レッスンが常に必要となるでしょう。

舞台上で使用するアクセサリーや娘役の髪飾りなどは、自身で用意しなければなりません。

公演の衣装ごとに合わせた物が必要となり、市販の物をそのまま使用するのではなく、アレンジしたり一から手作業で作ることがほとんです。

更には、美容室などの美容代や、雑誌や番組に出演する際に着用する衣装は自前となります。

タカラジェンヌは常に人に見られているという意識が必要であるため、日頃の私服にも気を使わなければなりません。

それらの物をお給料だけで賄うのが難しいため、ご実家が支援できるような多少裕福なご家庭でないと、金銭面で苦労することになってしまうのだそうです。

 

宝塚歌劇団への入団・初舞台

宝塚音楽学校を卒業すると同時に、宝塚歌劇団の生徒として認められることになります。

卒業式の数日後には、宝塚歌劇団の入団式が行われます。

入団後、“初舞台生”として「初舞台公演」と呼ばれる大劇場公演に出演します。

初舞台公演では、開演前に舞台上に整列し3〜4名が日替わりで口上を述べる“初舞台口上”と、ショーの一場面で“ロケット”と呼ばれるラインダンスの披露が慣例となっています。

2年間切磋琢磨してきた同期が全員揃って宝塚の舞台に立つのは、この初舞台公演が最初で最後

仲間と共に受ける厳しいレッスンさえも、一生忘れられない大切な思い出となるようです。

初舞台の公演名は、入団後から退団までプロフィールに記載されます。

首席での卒業は必ずトップスターになれるわけではありませんが、やはり注目され続けるようです。

初舞台公演の後は、班に分かれて各組の本公演に出演する“組まわり”を経て各組に配属されます。

 

まとめ

今回は、宝塚音楽学校の受験資格や授業内容、一般にも披露される行事、厳しい校則やルールなどについてご紹介いたしました。

まとめると以下のとおりです。

  • 募集人数は40名。応募資格は、15歳〜18歳までの容姿端麗で宝塚歌劇団の舞台人に適する者
  • 入学試験科目は面接・歌唱・舞踊で、受験時の完成度だけでなく素質と将来性を重視
  • 2年間でかかる費用は約233万円だが、別途個人レッスンや衣装などの費用がかかる
  • 受験スクールに通う場合は、その費用も必要となる
  • 授業は月曜日から土曜日まで、声楽・ピアノ・演劇・各種ダンスなど主に実技レッスンを行う
  • 教養を高めるための礼儀作法マナーの他、厳しい校則・不文律がある
  • 卒業した後は、宝塚歌劇団の生徒として初舞台公演にて口上とラインダンスを披露する

宝塚音楽学校は、全国の少女たちが宝塚歌劇の舞台に立つことを夢見て、初めに目指すところ。

受験前はもちろん、入学後も厳しいレッスンを重ね、技術と共に内面も磨き上げます。

晴れて宝塚歌劇団の生徒となった初舞台生の凛々しい顔つきから、生徒一人ひとりのストーリーを感じられるのも宝塚歌劇の魅力の1つです。

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