【初心者向け】宝塚歌劇団のトップスターとは?

アイキャッチ 宝塚歌劇 トップスターになるには 宝塚歌劇の基本

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宝塚歌劇団のトップスターという存在は知っていても、就任するまでの過程などが気になっている方も多いのではないでしょうか?

どうやったらトップスターになれるのかな?

トップスターになるためには、必須項目や様々な条件が必要なんですよ!

今回は、トップスターになるための必須項目や条件、任期・退団、スターシステムなどについてご紹介いたします。

 

トップスターとは?

宝塚歌劇団には花・月・雪・星・宙5組が存在しており、各組約80名の頂点に立つ男役を“トップスター”と呼びます。

テレビ番組や写真などで目にした事がある方も多いのではないかと思いますが、舞台上で1番豪華な衣装を身にまとい、大きな羽根を背負って大階段を降りてくるのがトップスターです。

トップスターを表す象徴的な大羽根は、“背負い羽根”と呼ばれており、オーラを具現化したものと言われています。

主な素材は、オーストリッチやキンケイ・ギンケイの羽根。

全長約2m・重さ10kg以上にもなるため、「羽根の重さは責任の重さ」と言われています。

トップスターは毎公演で主演を務め、脚本はトップスターに当てて書かれます。

実力や容姿だけでなく、スター性組を牽引できる人柄、観客動員に関係する人気についても重要な役割を占めています。

また、トップスターの相手役を務める娘役は“トップ娘役”と呼ばれ、ヒロインを演じます。

以前は2名のトップがいたり公演ごとに主演が変わったり、他組への特別出演が実施されたりと、現在よりも柔軟性に富んだ配役を行っていました。

しかし現在は、単独主演が原則というシステムが確立されています。

 

トップスターへの道(必須項目・条件など)

はじめに、トップスターになるまでの基本的な道のりをご紹介いたします。

トップスターへの道
 
  • ステップ1
    宝塚音楽学校へ入学
  • ステップ2
    宝塚歌劇団へ入団
  • ステップ3
    本公演で役が付く
  • ステップ4
    新人公演の主演
  • ステップ5
    バウホール公演の主演
  • ステップ6
    東上公演の主演

  • ステップ7
    3番手スターになる
  • ステップ8
    2番手スターになる
  • ステップ9
    トップスターに就任

中でも必須項目となるのが、新人公演の主演バウホール公演の主演東上公演の主演の3つです。

“新人公演”とは、入団7年目までの生徒たちで本公演と同じ作品を演じる公演のこと。

新人公演で主演を務めることにより、技術だけでなく主演としての立ち居振る舞いなどを、本役であるトップスターから教わります。

次の段階として、宝塚大劇場内に併設されているバウホール公演”にて主演を務め、座長としてカンパニーをまとめ上げる力を養います。

そして“東上公演”では、バウホールよりも客席数の多い東京の劇場で主演を演じ、主演としての集客力を試される場でもあります。

こうした段階を経ることで、本公演の主演として必要な実力や経験を重ね、トップスター候補として育成されます。

必須項目の他、トップスターになるための三大条件として挙げられるのが「人気・実力・人徳」

その他にも、スター性・容姿・人柄・責任感・統率力・自己管理能力・メンタルの強さ・集客力など、様々な要素が必要とされています。

実力だけでトップスターになれるのではなく、人間性も含めバランスの取れた人材が選ばれているようです。

トップスターの最終決定権は各組のプロデューサーが持っているようですが、理事長や演出家、組長などの管理職との話し合いにより決めて行くようです。

 

スターシステムとスターの種類

スター

宝塚歌劇の大きな特徴の一つでもある“スターシステム”とは、トップスター候補を育成するためのシステムのこと。

人気・実力・スター性・容姿などを兼ね備え、作品の中で重要なポジションを担当する生徒のことを、“スター”と呼びます。

各組のスターの中で上位となる3番手・2番手・トップスターを頂点とした、ピラミッド型で構成されています。

スターには、2番手・3番手スターの他、路線スター・別格スター・中堅スターなど様々な役割りのスターがいます。

2番手・3番手はその名のとおりですが、その他の役割は概ね下記のとおりとなります。

スターの種類   役割
路線スタートップスター候補として育成される若手の生徒
別格スタートップスター候補ではないが、スターとして人気を誇る生徒
要となる役柄を演じることが多い
中堅スター入団10年目辺りを超えた生徒

どの生徒がどの辺りのポジションであるかについては、「公演での役付き」や「フィナーレの階段を降りてくる順番」などから把握することができます。

その他、プログラム内の順番、月刊誌などの表紙、写真集やブロマイドの発売・枚数、公式カレンダーなどからも、ある程度把握できるようになっています。

若手生徒の中から将来のスター候補を予測し、応援することも宝塚歌劇の楽しみ方の一つです。

 

路線スターとは?

“路線スター”とは、入団時から将来が有望とされている生徒のこと。

ファンの間では、“路線に乗る”などと表現されます。

路線に乗った生徒は、スターシステムによりトップスター候補として、新人公演の主演や小劇場公演などで役を与えられながら経験を積んで行きます。

ただし、路線に乗ったからと言って、将来トップスターになることを確約されたものではありません。

トップスターは各組1人という非常に狭き門のため、途中で路線を外れることもあります。

路線スターの中から3番手→2番手と上がって行き、最終的に選ばれし者だけがトップスターになれるのです。

 

トップスターに就任する時期

トップスターに就任する時期は、概ね入団12〜15年目辺りとなっています。

しかし、様々な事情やタイミングなどにより、早くなることも遅くなることもあります。

これまでで1番早い就任は、元月組トップスターの天海祐希あまみ ゆうきさんが研7(入団7年目)で就任
最近では、元月組トップスターの珠城たまきりょうさんが研9で就任しました。

これまでで1番遅い就任は、元宙組トップスターの大空祐飛おおぞら ゆうひさんと、元星組トップスターの北翔海莉ほくしょう かいりさんが研18での就任

宝塚歌劇団独自の“すみれコード”と呼ばれるルールにより、生徒の実年齢を明かすことはできませんが・・・

例えば宝塚音楽学校へ入学したのが中学校卒業時だとすると、研12で29歳〜研15で32歳、高卒だと研12で32歳〜研15で35歳といったところになるので、30代前半でトップスターに就任する方が多いようです。

 

トップスターの任期

ピンクの砂時計

トップスターの任期については、概ね本公演5作程度(約3年)となっています。
※本公演と本公演の合間に行う別箱公演の数は含みません。

意外と短く感じるかもしれませんが、トップスターという責務は精神的にも体力的にも負担が大き、受け継いだバトンを次の世代へ渡すという使命があります。

そのため、トップスター期間を全力で走り抜けるにはちょうど良い期間のようです。

スターシステム確立以前は、8〜10年程度務めることもあったようです。

例外として、轟悠とどろき ゆうさんはトップスターを務めた後に専科へ異動しましたが、ほとんどが退団の道を進みます。

長期の例としては、元宙組トップスターの和央わおようかさん、元星組トップスターの柚希礼音ゆずき れおんさんが約6年

元花組トップスターの春野寿美礼はるの すみれさん、元花組トップスターの明日海あすみりおさん、元月組トップスターの珠城たまきりょうさんが約5年でした。

過去には本公演1作のみ・1年未満という短期の例もありましたが、人事上の都合だったため、劇団はファンから激しく非難されたそう。

トップスターになるまでの過程は厳しく、ファンは1作でも多くトップスターである期間を噛み締めたいという思いがあるため、ある程度の期間は務めて欲しいものですよね…。

 

トップスターの退団

トップスターの任期については、上記でご説明したとおり概ね本公演5作程度(約3年)です。

厳密には劇団と相談しながら決められているようですが、就任時には退団時期を決めているという方がほとんどのようです。

ということは、トップスター就任と同時に退団までのカウントダウンが始まったようなもの。

次の世代へ伝統を引き継ぐという新陳代謝が繰り返される中で、限りある時間を思い切り駆け抜けるからこそトップスターは最高に輝くのです。

また、ファンは「就任時期」や「次回作の公演名」などから読み取り、退団時期を予想します。

トップスターの退団は他の生徒よりも早めの時期に公式ホームページにて発表され、後日、記者会見を開くのが通例となっています。

退団公演の千秋楽と前楽では、通常の公演後に『サヨナラショー』を行い、これまでに出演してきた公演の足跡を振り返ります。

千秋楽の楽屋入りと終演後には、真っ白な服装に身を包んだファンに見送られるというセレモニーが劇場前で行われます。
(※コロナ禍では中止されています)

千秋楽の退団挨拶の際は、宝塚歌劇団の正装である黒紋付と緑の袴、もしくはトップスターのみに許される黒燕尾を着用。

異例でしたが、元宙組トップスターの凰稀おうきかなめさんは白軍服を着て大階段を降りてこられ、客席を沸かせていました。

 

トップ娘役

トップ娘役の就任までの条件(新人公演ヒロイン・バウホール公演ヒロイン・東上公演ヒロイン)については、男役トップスターとほぼ同じです。

条件を兼ね備えた娘役の中から、その組のトップスターと相性の良い娘役が当てられることになります。

トップスターとの相性とは、まずビジュアルの相性(並び)が良いこと。

更には、トップスターがダンスが得意な生徒であればダンスが上手い娘役、歌が得意な生徒であれば歌が上手い娘役、もしくは苦手分野を補えるような娘役が選ばれることが多いようです。

基本的に男役トップスターありきで選ばれるため、トップ娘役についてはタイミングが要となります。

また、トップスターは概ね入団12〜15年目辺りで就任することが多いのに対し、トップ娘役は入団4〜7年目辺りで就任となることが多くなります。

 

しかし近年では、平均よりも遅めの就任となるケースも続いています。

元花組トップ娘役の仙名彩世せんな あやせさんが研9、現月組トップ娘役の海乃美月うみの みつきさんが研11、現雪組トップ娘役の朝月希和あさづき きわさんが研12での就任となりました。

経験を重ねた娘役だからこそ出せる色気や安心感、技術力を堪能できるというポジティブな面を持っています。

 

また、トップ娘役が退団を決める際、トップスターと同時に退団するかどうかは自主判断となりますが、同時に退団することを“添い遂げ退団”と言います。

トップスターとの同時退団ではなく、トップ娘役が単独で退団した後など、タイミングによってはトップ娘役が不在の場合もあります。

トップ娘役が不在の際は同等のヒロイン役を演じる娘役がいますが、正式にトップ娘役に就任していない限りはトップ娘役とは呼ばれません。

 

まとめ

今回は、宝塚歌劇団のトップスターになるまでの道のりや条件スターシステムなどについてご紹介いたしました。

トップスターになるための必須条件は、新人公演の主演・バウホール公演の主演・東上公演の主演。

その他、人気・実力・人徳など様々な要素が必要とされており、人間性も含めバランスの取れた人材が選ばれています。

トップスターの就任は、概ね入団12〜15年目辺りですが、様々な事情やタイミングなどにより早くなることも遅くなることもあります。

退団時期は、概ね本公演5作程度(約3年)が多くなっています。

トップ娘役については、基本的にはトップスターと相性の良い娘役が当てられます。

 

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