元宝塚歌劇団 月組トップスター【珠城りょう】

アイキャッチ 珠城りょう 卒業生

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元宝塚歌劇団 月組トップスターの珠城たまきりょうさん。

落ち着いた雰囲気に大きな包容力骨太で正統派な男役としてファンの心をときめかす珠城りょうさんは、一体どんな方なのでしょうか?

このページでは、宝塚歌劇にハマり始めたばかりの初心者の方に向け、珠城りょうさんの魅力をご紹介いたします!

 

元月組トップスター【珠城りょう】とは?

珠城りょう(たまき りょう)さんは、2016年9月5日付けで月組トップスターに就任しました。

入団当初から恵まれた体格とダイナミックなダンスで注目を集め、入団9年目という異例のスピードでトップスターに就任。

誠実で真面目な人柄に、「結婚したい男役ナンバー1」として名高い珠城りょうさん。広い肩幅と背中で着こなすスーツ姿には、思わずときめいてしまいます。

『月雲の皇子』木梨軽皇子きなしかるのみこ役や『カンパニー青柳誠二『All for One〜ダルタニアンと太陽王〜』ダルタニアン役といった役の幅広さを持ち、ショースターでもあります。

 

珠城りょうさんのプロフィール

珠城 りょう(たまき りょう)

誕生日:10月4日

期:94期生

出身地:愛知県蒲郡市

身長:172㎝

血液型:B型

愛称:りょう、たまき

好きなもの:肉、和食(寿司)、手料理(母親:特製春巻)、ご飯、カスタードのお菓子

初舞台:2008年3月『ME AND MY GIRL』

 

珠城りょうさんは愛知県蒲郡市で生まれ育ちました。

宝塚音楽学校には3度目の受験で合格し2006年に入学、2008年に94期生として宝塚歌劇団に入団し、月組に配属されました。

2010年THE SCARLET PIMPERNELスカーレット ピンパーネルパーシー・ブレイクニー役にて、入団3年目新人公演初主演に抜擢された後、5度の新人公演主演を務めました。

2013年バウホール初主演を務めた『月雲の皇子』は、大好評を博したため同年12月にも再演されました。

そして、2015年に東上初主演を果たした後、龍真咲さんの後任として2016年9月5日付で月組トップスターに就任

入団9年目という、男役としては天海祐希さんの入団7年目に次ぐ早さでの就任となりました。

初期の相手役は、前任の龍真咲さんから引き続き務めた愛希れいかさん。

2016年10月文京シビックホール・梅田芸術劇場シアタードラマシティ公演『アーサー王伝説』にてトッププレお披露目、2017年1月『グランドホテル / カルーセル輪舞曲ロンドにて、トップコンビ大劇場お披露目となりました。

2018年11月に相手役の愛希れいかさんが退団となったため、美園さくらさんを2人目の相手役に迎え、2019年1月東京国際フォーラム公演『ON THE TOWN』にて新トップコンビプレお披露目となりました。

また、2014年からはダイキン工業『うるさら7』イメージキャラクターに起用され、テレビCMにも度々登場しています。

そして、約14年在団し月組トップスターを約5年務めた後、2021年8月15日付けで大劇場公演『桜嵐記/Dream Chaser』東京千秋楽をもって退団しました。

 

宝塚を目指した切っ掛け

珠城りょうさんは3歳から水泳を習い、小学生からはバスケットボール、中学ではハンドボールの主将を務めるなど、根っからのスポーツ少女でした。

そんなある日、新聞の広告に載っていた「宝塚観劇バスツアー」に興味を惹かれてバスツアーに参加。初めて観た宝塚の舞台の華やかさに一気に魅了され、すぐに音楽学校の受験を決意。

それまではバレエを少し習っていただけで、受験を決めてから声楽のレッスンに通い始めたため準備が間に合わず不合格に。3度目の正直でようやく合格を果たしました。

宝塚の事を何も知らずに音楽学校に入学したため、早朝の掃除や忙しい授業の日々にカルチャーショックを受けたそう。しかし今では、宝塚の伝統とも言える貴重な経験を積んだと感じているそうです。

 

研9でのトップスター就任

珠城りょうさんは、研3(入団3年目)で新人公演初主演に抜擢されてから5度新人公演主演を務めるという、劇団からの熱い期待をかけられてきました。

そして研6の時に『月雲の皇子』でバウホール初主演、研8の時に『Bandito』で東上初主演など、大役を任される事が続き、近年では異例の研9にしてトップスターに就任。

就任時は「7年目で就任した天海祐希に次ぐ異例のスピード昇格」と大きな話題を呼び、ニュースにもなりました。

とても順風満帆な宝塚人生のようにも見えますが、3度目の受験でようやく音楽学校へ入学する事が出来たという苦労から入り、大役続きの重責や周囲の期待、プレッシャーに悩み続けた日々だったそう。

通常は正二番手の期間を経験してからトップスターに就任となりますが、珠城りょうさんはその期間が殆ど無いまま、責任ある立場になってしまったという印象が強くありました。

そのため、宝塚ファンからの心配する声や複雑な声も届いていたかと思いますし、それ以上にご本人も大変悩まれたようです。

しかし、それを乗り越えた時の気持ちについて、雑誌のインタビューに下記のように語っています。

まわりを納得させるには結果を出すしかない舞台で認めてもらうしかない。それだけを思って前に進んできました。入団3年目に初めて新人公演で大役をいただいたあのころから、ずっと。

時に苦しい思いも経験しましたが、だからこそ強くなれたし、支えてくれる人のありがたみを知り、人の気持ちや痛みをわかる人間でありたいと思えるようになりました。あの経験があったから、今の私がいるんです。

出典:https://marisol.hpplus.jp/article/25351

そんな大変な経験を重ねてきた珠城りょうさんですが、とても真面目で人懐こい性格ゆえ、月組の上級生からも下級生からもとても慕われ愛されています。

そして何よりも偉大な力を生むのが、熱い声援を送り続けるファンの声

これまでのインタビュー等では度々「トップとしてセンターに立っていられるのは、決して自分の力だけではなく組子やファンの方達の支えがあるからこそ」と語っており、事あるごとにファンへの感謝の言葉を発してきました。

ラストディが間近となってきましたが、積み重ねてきた様々な経験とスポーツ少女だった頃の体育会系気質が求心力となり、立派なトップスターとして月組を牽引して来ました。

 

珠城りょうさんが演じる役柄の魅力

珠城りょうさんは下級生の頃から注目され様々な役柄に挑戦されてきましたが、その役の幅広さに驚かされます。

これまでに演じて来た役柄の中でも、わずか研6にしてその存在感を知らしめることとなったのが『月雲の皇子』木梨軽皇子役。

心優しい清らかな皇子が、とある出来事により心を閉ざし復習心を燃やす人間に変貌してしまうという難しい役どころを演じて高評価を得、約半年後に再演となりました。

他にも『春の雪』本多繁邦役は、実直で理性的な上爽やかさもあるという役柄を作り上げ、『長崎しぐれ坂』卯之助役や『カンパニー』青柳誠二役などは、珠城りょうさんの男役のイメージに近く好感の持てる役柄と評判でした。

『カンパニー』青柳誠二役では、宝塚の男役には非常に珍しい普通のサラリーマンという役柄でしたが、“派手なことはせず、縁の下の力持ちとして尊敬されるという役柄”を魅力的に演じたことから、「結婚したい男役ナンバー1」の称号を得ることになりました。

また、『All for One〜ダルタニアンと太陽王〜』ダルタニアン役や『THE SCARLET PIMPERNEL』新人公演のパーシー・ブレイクニー役などは、スポーツ少女時代に得たリーダーシップを発揮し、真っ直ぐで正義感溢れる役柄がとても魅力的でした。

過去のインタビューに下記のように答えていますが、トップになってからも幅広い役柄に挑戦する事の多い、演出家にも愛されるトップスターだったのではないでしょうか。

いわゆる宝塚歌劇の主人公らしからぬ役も演じさせて頂いています。私自身、演出家のインスピレーションを掻き立てる役者でいたいという思いは常にあるので、主演という立場になってからもそういう役を与えていただけるのは、とても嬉しいです。役者冥利に尽きます。

出典:https://ticket-cd.jp/interview/elisabeth-r/

男役として恵まれた体格に優しく温かみのある声質、スーツから銃士の衣装まで馴染みよく着こなす姿にも、リアルな男性像を重ねてしまいますよね。

退団公演前最後の演目に、バウホール公演『幽霊刑事デカ〜サヨナラする、その前に〜』を選んだのも、「芝居の月組」というプライド持ち、何より芝居が好きという珠城りょうさんらしい選択だと感じました。

 

相手役・美園さくらさんとのコンビ

珠城りょうさんの相手役は美園みそのさくらさん。珠城りょうさんと同じく月組育ちの99期生です。

骨太で包容力のある男役の珠城りょうさんと、コケティッシュさと華やかな存在感を持つ美園さくらさんは“たまさく”と呼ばれており、理想的なトップコンビのビジュアルを持つお二人です。

お二人のデュエットダンスといえば、安定感抜群のリフト

幼い頃からスポーツで鍛えた軸のブレない体幹を持つ珠城りょうさんのリフトは、ダイナミックで迫力満点。高さもスピードも十分に、満足感のあるリフトを魅せてくれます。

残念ながら、お二人とも2021年8月15日の東宝千秋楽を以て退団されました。

ファンからは惜しむ声が絶えませんが、お二人が作り上げた作品を今後も楽しんで行きましょう。

 

珠城りょうさんの主な舞台

【初舞台】2008年〜
2008年 月組『ME AND MY GIRL』(宝塚大劇場のみ)
【月組時代】2008年8月〜
新人公演主演2010年『THE SCARLET PIMPERNEL』
パーシー・ブレイクニー役(本役:霧矢大夢) 
2012年『エドワード8世-王冠を賭けた恋-』
デイヴィッド・ウィンザー役(本役:霧矢大夢) 
2012年『ロミオとジュリエット』
ロミオ役(本役:龍真咲・明日海りお) 
2013年『ルパン-ARSÈNE LUPIN-』
アルセーヌ・ラウール・ルパン役(本役:龍真咲) 
2014年『TAKARAZUKA 花詩集100!!』
花の紳士A 他(本役:龍真咲)
バウホール主演2013年バウホール公演『月雲の皇子』
メインキャスト2014年バウ・ショーケース『New Wave!-月-』 
東上主演2013年天王洲 銀河劇場公演『月雲の皇子』(バウホール公演の再演)
2015年バウホール・日本青年館公演
『Bandito 義賊 サルヴァトーレ・ジュリアーノ-』
全国ツアー初主演2016年全国ツアー公演『激情-ホセとカルメン- / Apasionadoアパショナード!! III』
【月組トップスター時代】2016年9月5日〜
トップコンビプレお披露目2016年文京シビックホール・ドラマシティ公演『アーサー王伝説 』
トップコンビ大劇場お披露目2017年大劇場公演『グランドホテル / カルーセル輪舞曲ロンド
2017年博多座公演『長崎しぐれ坂 / カルーセル輪舞曲ロンド
2017年大劇場公演『All for One〜ダルタニアンと太陽王〜』
2017年全国ツアー公演
『鳳凰伝-カラフとトゥーランドット- / CRYSTAL TAKARAZUKA-イメージの結晶-』
2018年大劇場公演
『カンパニー -努力、情熱、そして仲間たち- / BADDY – 悪党ヤツは月からやって来る-』
2018年赤坂ACTシアター公演『雨に唄えば』
2018年大劇場公演『エリザベート-愛と死の輪舞-』
新トップコンビプレお披露目2019年東京国際フォーラム公演『ON THE TOWN』
新トップコンビ大劇場お披露目2019年大劇場公演『夢現無双 / クルンテープ 天使の都』
2019年梅田芸術劇場公演『ON THE TOWN』
2019年大劇場公演『I AM FROM AUSTRIA – 故郷は甘き調べ-』
2020年御園座公演『赤と黒』
2020年大劇場公演『ピガール狂騒曲 / WELCOME TO TAKARAZUKA – 雪と月と花と-』
2021年珠城りょう 3Days Special LIVE『Eternità』
2021年バウホール公演『幽霊刑事デカ〜サヨナラする、その前に〜』
退団公演2021年大劇場公演桜嵐記おうらんき / Dream Chaser』

 

珠城りょうさん出演のオススメ作品

珠城りょうさんの魅力を堪能できる作品をご紹介いたします。

 

月組バウホール公演『月雲の皇子』

出典:http://archive.kageki.hankyu.co.jp/revue/backnumber/13/moon_bow_tsukigumo/poster.jpg.html

古事記や日本書紀に残る大恋愛叙事詩の衣通姫そとおりひめ伝説』を題材に、美貌の皇子と皇女が禁じられた恋に落ち、やがて歴史の暗雲に覆われ流刑の地で心中したという悲しい物語を美しく描いた、2013年のバウホール公演月雲つきぐも皇子みこ

本作にてバウ初主演となる珠城りょうさんが、主役の木梨軽皇子きなしかるのみこを演じました。

木梨軽皇子と皇位継承のライバルであり弟でもある穴穂皇子あなほのみこ役は鳳月杏ほうづき あんさん、二人の皇子の美しい妹である衣通姫役は咲妃さきひみゆさんが演じました。

珠城りょうさん演じる木梨軽皇子は、歌を愛し民を慈しむ心優しい人間でしたが弟の裏切りにより心を閉ざし、復習心を燃やす人間に変貌してしまいます。

武芸に秀で冷徹な政治感覚を持つという穴穂皇子役の鳳月杏さんとの対比も良く、咲妃みゆさんの高貴な佇まいと透き通るような声も魅力です。

そしてこの作品は、今や宝塚歌劇になくてはならない大人気演出家・上田久美子先生のバウホールデビュー作。

奇跡のキャストと美しい台詞の数々に、今でもファンの中で語り継がれるほど伝説の公演と化しています。

何もかもが美しい舞台。珠城りょうさんの事が気になったら必見の作品です!

 

月組大劇場お披露目公演『グランドホテル』

出典:https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2017/grandhotel/poster.html

1932年に公開された映画『グランドホテル』に基づき、1989年にトミー・チューンさんの演出・振付によりブロードウェイにて初演された同名ミュージカルは、トニー賞で12部門にノミネート、演出賞・振付賞他5部門で受賞しました。

1928年ドイツのベルリンが舞台で、誰もが憧れる高級ホテル「グランドホテル」に訪れた人々の、様々な人生模様を描いた物語。

宝塚歌劇では1993年に月組にて上演され、2017年に同じく月組にて再演となった本作にてトップスターお披露目となった珠城りょうさんが、主演のフェリックス・フォン・ガイゲルン男爵役を演じました。

ヒロインのエリザヴェッタ・グルーシンスカヤ役は愛希れいかさん、オットー・クリンゲライン役は美弥るりかさん。

珠城りょうさんは若くてハンサムな男爵役をスマートに、そして悪者になりきれない真面目さ故に、事がうまく運ばないという人間臭さも持ち合わせた役柄を魅力的に演じました。

フェリックスは多額の負債を抱えながらもグランドホテルに宿泊しているという、人生に快楽を求め生きている貴族。宇月颯さん演じる取り立て屋(運転手)の指示により、グルーシンスカヤの部屋に宝石を盗みに入り鉢合わせてしまうものの、二人は恋に落ちます

踊る喜びを忘れ、プリマ・バレリーナとしての引き際を決められずにいたグルーシンスカヤは、フェリックスとの出逢いにより心の底から湧き上がるバレエへの情熱を取り戻すきっかけに。

余命宣告を受け、余生を過ごそうと全財産を抱えてグランドホテルにやってきたオットーもまた、フェリックスとの出会いにより生きる希望を自身の中に見出します。

そして、グルーシンスカヤを密かに想う付き人ラファエラ、ハリウッドスターを夢見るタイピストのフラムシェンなど、登場人物ひとりひとりがしっかりと描かれているのも見どころ。

たった2日間の物語ですが、このグランドホテルを舞台として、ホテルへやってきては去っていく人々、生きる者と死ぬ者。どの人生にも光と影があり、他人にとっては特別な事ではないという無情さえ感じる独特な世界観を描いた作品です。

珠城りょうさんのスーツ姿も眼福ですが、ストーリーも音楽も素晴らしく見ごたえのある作品。個人的に宝塚の好きな作品ベスト1です!

しかし残念ながら版権が切れてしまったため、映像は廃盤、今後スカイステージで放送されることもありません…。紹介しておきながら申し訳ありません。。

 

月組大劇場公演『BADDY – 悪党は月からやって来る-』

2018年大劇場公演『カンパニー –努力レッスン情熱パッション、そして仲間たちカンパニーと共に公演されたショー『BADDY – 悪党ヤツは月からやって来る-』で、主演のBADDY(バッディ)役を珠城りょうさんが演じました。

舞台は、架空の首都”TAKARAZUKA-CITY”。世界統一されたピースフルプラネット“地球”に、月から大悪党バッディが乗り込んでくるというストーリー仕立てのショー。

ビッグシアターバンクに眠る惑星予算を盗み出すという最終目標に向かうバッディと、愛希れいかさん演じる万能な女捜査官グッディとの、あらゆる場面での戦いが見ものです。

つまらない世の中を面白くするために悪事を働くという、いわゆる悪者を主役にしたということで、宝塚歌劇のショーとしての異色さが大変話題となりました。

いかついサングラスを掛けて登場したりタバコをふかしたりと、宝塚らしからぬやりたい放題バッディですが、下品なキャラクターにならないのは珠城りょうさんの内面から溢れ出る品の良さでしょう。

演出家・上田久美子先生が手掛ける初のショー作品で、バウ公演デビューと共に珠城りょうさんとの縁が深い演出家です。

宝塚のショーお決まりの中詰めやロケット等のポイントは抑えておきながら、ビックリ箱のような楽しいショーです!ストレス発散したい時にもオススメ(笑)

 

まとめ

今回は元月組トップスターの珠城りょうさんについて、プロフィールや宝塚を目指した切っ掛け、お芝居の魅力やオススメの作品等をご紹介いたしました。

真面目で誠実な人柄と広い肩幅で体現する正統派の男役であり、客席を包み込むような包容力が最大の魅力。

近年では異例の早期就任ということで沢山悩まれた日々もあったようですが、珠城りょうさんの舞台を観れば、遅かれ早かれ真ん中に立つべきスターである事を納得させられます。

周りよりも早いスピードで出世街道を走り続けて来た中で得た精神力と求心力で月組を牽引し、トップスターとして最高の輝きを放ちながら、宝塚人生に幕を降ろしました。

 

 

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