宝塚歌劇の公演における、《別箱公演》と呼ばれるものをご存知でしょうか?
別箱公演ってどんな公演のこと?
別箱公演は、専用劇場以外で上演される公演のことです!
宝塚専用劇場でのメイン公演となる《本公演》に対し、専用劇場以外の劇場でのサブ公演を《別箱公演》と呼びます。
別箱公演の主演やメンバーの振り分けなどには、今後のスター育成や人事に関する情報が含まれている場合も。
このページでは、バウホール公演・全国ツアー・海外公演などの《別箱公演》についてご紹介いたします。
別箱公演とは?
宝塚歌劇の専用劇場である宝塚大劇場と東京宝塚劇場で上演されるメインとなる公演のことを《本公演》と呼び、組のメンバー全員が出演します。
そして本公演の他に、《別箱公演》と呼ばれるサブ公演があります。
《別箱公演》とは宝塚ファン用語で、専用劇場以外の外部の劇場での公演のこと。
本公演と次の本公演の合間の期間に上演されます。
基本的には、トップスターが主演するチームと2番手以下が主演するチームなど、2〜3つのチームに分かれます。
下記の画像は宝塚歌劇の年間スケジュール(参考)となりますが、左側の2列が《本公演》、右側の3列が《別箱公演》です。
例えば花組の本公演と本公演の合間の期間に、《別箱公演》が行われています。
別箱公演で上演される作品は、お芝居が主体のものや海外ミュージカルなど、中小劇場ならではの規模を生かした作品です。
公演形態は、コンサート・ディナーショー・全国ツアー・海外公演など多岐にわたります。
別箱公演の主演やメンバーの振り分けなどには、今後のスター育成や人事に関する情報が含まれている場合も。
例えば、「バウホール公演の主演」は“トップスター候補として必要なステップの1つ”であるため、ファンとしては気になる情報の一つです。
【別箱公演のオススメ作品】については、コチラの記事でご紹介しています。
別箱公演の種類
別箱公演には、バウホール公演や東上公演の他、コンサートやディナーショーなど様々な種類があります。
全国ツアーや海外公演は、人によっては別箱公演と呼ばない場合もあるようですが、本公演以外の公演という意味では別箱公演に含んでも問題ないかと思います。
それでは、別箱公演の種類を順にご紹介いたしましょう。
バウホール公演
バウホール公演とは、宝塚大劇場に併設されている約500席の宝塚バウホールで行われる公演のことです。
宝塚ファンの中では、“別箱”や“バウ”などと呼ばれています。
バウ(bow:船首)という名称には、「時代の先端を行く作品を作り出していきたい」という思いが込められています。
トップスター候補を育成するためのスターシステムにより、バウホール公演の主演を務めることがスターへの登竜門。
上演される作品は、主演に当て書きされる新作がほとんどで、年間約8作品ほど上演されています。
宝塚星組・極美慎 初バウ主演「ベアタ・ベアトリクス」初日 「大切な時間を実感」/芸能/デイリースポーツ online https://t.co/CVAMGExXZt #DailySports
— デイリースポーツ (@Daily_Online) September 8, 2022
演出家も同様に、バウホールで演出家デビューした後に本公演でのデビューとなるため、演出家にとっての登竜門でもあります。
若手だけなく中堅の男役や、稀にトップ娘役が主演を務める場合も。
本公演よりも出演人数が少ないため、下級生にも役や台詞が与えられるなど活躍できる場となっています。
東上公演
東上公演とは、東京や神奈川(関東)の外部の劇場を使用して行われる公演のことを指します。
広い舞台を使用した華やかな本公演とは違い、中小劇場ならではのお芝居を中心とした作品が楽しめます。
また、バウホール公演の主演を務めた若手メンバーが、次のステップとして東上公演の主演に抜擢されることを“東上する”と言います。
その名の通り、宝塚のある関西から東京(関東)へ上るためです。
東上公演で上演される作品は、当て書きの新作や再演、海外ミュージカルなど様々です。
宝塚雪組男役和希そら東上初主演「心中・恋の大和路」が開幕 https://t.co/GHuVyS78Bz
— サンスポ (@SANSPOCOM) July 20, 2022
使用される主な劇場は、赤坂ACTシアター(1,324席)、東京国際フォーラム ホールC(1,502席)、日本青年館ホール(1,249席)、東京建物 Brillia HALL(1,300席)、KAAT神奈川芸術劇場(約1,200席)など。
平均約1,200〜1,500席と、約500席のバウホールよりも客席数の多い劇場となります。
そのため、若手メンバーが主演を務める場合は集客力を試される場でもあります。
梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ公演
梅田芸術劇場は大阪府/梅田にある劇場で、「メインホール」と「シアター・ドラマシティ」の2つのホールを持っています。
歌劇事業部が属する阪急電鉄同様、阪急阪神ホールディングスグループに属する株式会社梅田芸術劇場が運営しています。
そのため、公演で使用する外部の劇場の中で使用頻度が最も高くなります。
全国ツアーの大阪公演として使用される他、毎年年末に上演される『タカラヅカスペシャル』の会場としても使用(コロナ禍では中止)されています。
6日(日)の21時から『タカラヅカスペシャル2019-Beautiful Harmony-』(’19年・梅田芸術劇場)をテレビ初放送いたします。今月は「TMP音楽祭」「TCAスペシャル」「タカラヅカスペシャル」 を一挙放送🎉ぜひお楽しみください! pic.twitter.com/R3YWqDAL28
— 【公式】タカラヅカ・スカイ・ステージ (@skystage_info) December 4, 2020
トップスターが主演の公演で使用されるのが、メインホール(1905席)。
2番手以下の東上公演などで使用されるのが、シアター・ドラマシティ(898席)となります。
博多座公演
博多座は福岡県/博多にある劇場で、座席数は約1,500席です。
博多座公演は、基本的に年に1度1ヶ月近くの公演が恒例となっており、各組のトップスターが主演を務めます。
博多座10月『宝塚歌劇月組公演』CMスポットが完成しました!福岡エリアで只今放送中です📺✨
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クラシカルな過去作品の再演と、直近の本公演で上演されたショー作品との組み合わせが多くなっています。
ショーは本公演とはメンバーが変わり、博多座仕様に変更されている場面もあるため、本公演との違いを楽しめます。
コンサート
宝塚歌劇によるコンサートは、トップスターが主演を務め、本公演のショーとは違ったアクティブな雰囲気が楽しめます。
初めてコンサートを行ったのは元花組トップスターの真矢みきさんで、1998年『MIKI in BUDOKAN』。
タイトルの通り武道館で行われ、構成・演出は宝塚歌劇団の座付き演出家・石田昌也先生、トータルプロデュースにつんく♂さんを迎えました。
次に武道館でコンサートを行ったのは元星組トップスターの柚希礼音さんで、2014年『REON in BUDOKAN~LEGEND~』。
構成・演出は同じく石田昌也先生で、トータルプロデュースにはTRFのSAMさんを迎えました。
柚希礼音さんは、それ以前にも日本青年館と東京国際フォーラム ホールCでコンサートを行いました。
アップしました! 宝塚ジャーナル : まさにLEGENDの2日間! 柚希礼音スーパーリサイタル『REON IN BUDOKAN~LEGEND~』 http://t.co/xV8mBFd3Se
— 宝塚ジャーナル (@takarazuka_j) December 22, 2014
最近では、 星組トップスター礼真琴さん主演の『VERDAD!!』が舞浜アンフィシアター、宙組トップスター真風涼帆さん主演の『FLY WITH ME』が東京ガーデンシアターで上演されました。
コンサートで使用される楽曲は、宝塚作品だけでなくポップスや海外ミュージカルの楽曲など。
普段の公演ではあまり聴くことのできない選曲が多いのも魅力です。
更には、最新鋭のライトや映像を駆使した演出など、通常の公演とは異なる新鮮さを感じられます。
【宝塚のコンサート】については、コチラの記事でご紹介しています。
ディナーショー
ディナーショーは、主に退団を控えたトップスター・トップ娘役・男役スターなどが主演を務めます。
退団前だけでなく、組替え前などの様々なタイミングで行われることが多くなっています。
開催場所は、西は宝塚ホテルやホテル阪急インターナショナル、東は第一ホテル東京やパレスホテル東京などのホテルの宴会場。
開催期間は2日程度で、初めの90分でコースディナーにてお食事、その後に約60分のショーを行います。
劇場よりも近い距離で憧れのスターの空気を感じることができ、退団前などの貴重なタイミングであることが多いため、ファンとしてはとても心に残る時間となります。
元宝塚歌劇団専科の轟悠さんは、年に1度定期的にディナーショーを行い、退団前にファンとの別れを惜しむ最後の舞台としてディナーショーを選ばれました。
通常の公演よりチケットの料金が高価になりますが、日程も公演回数も座席数も少ないため、本公演以上に取りづらくなります。
10日(日)の21時から轟悠 1Day Special LIVE「Yū, Sparkling Days」(’20年)をテレビ初放送いたします。ぜひお楽しみください! pic.twitter.com/RSyIHpxWnm
— 【公式】タカラヅカ・スカイ・ステージ (@skystage_info) January 8, 2021
全国ツアー公演
全国ツアー公演は、各組のトップスターまたは2番手が務め、北海道から沖縄まで全国各地を巡業します。
宝塚ファンからは、略称で“全ツ”と呼ばれています。
年に3〜4回ほど行われ、開催地やエリアはその公演により異なります。
クラシカルな過去作品の再演と、直近の本公演で上演されたショー作品との組み合わせが多くなっています。
ショーは本公演とはメンバーが変わり、全ツ仕様に変更されている場面もあるため、本公演との違いを楽しめます。
使用される劇場は梅田芸術劇場の他、全国各地の市民会館や文化センターなど。
概ね劇場は決まっているようですが、巡る地域が毎回変わるため、毎年同じ地域に回ってくるわけではありません。
また、地方に住んでいて全国ツアーを観劇して初めて宝塚に触れたことが切っ掛けとなり、宝塚音楽学校の受験を考えたという生徒も多くいます。
実際に、全国ツアーで回った地域から翌年の受験者数が増えるそうです。
海外公演
宝塚歌劇は、国際親善と文化交流という意味合いも含め、海外公演を行って来ました。
1938年の第1回ヨーロッパ公演が始まりで、約5ヶ月間もの間3カ国25の劇場での公演だったそうです。
戦時中は日本軍兵士への慰問が目的の公演ということで、中国の満州を巡業したそう。
その後はヨーロッパ、アメリカ、東南アジアから南米などの世界18カ国で、これまでに27回公演して来ました。
演目は、日本をテーマにしたショーや、『ベルサイユのばら』などを上演することが多かったようです。
2005年くらいまでは頻繁に渡航していたようですが、2013年以降は3回連続で台湾での公演が行われています。
2018年の第3回台湾公演では、台湾の伝統的な人形演劇『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』と、本公演で大好評を博したショー『Killer Rouge/星秀☆煌紅』を上演しました。
【宝塚歌劇団】星組トップの紅ゆずると演出家、小柳奈穂子氏、台湾公演への意欲を語る – 産経WEST https://t.co/puThx5OxzE @SankeiNews_WESTさんから #紅ゆずる #宝塚歌劇団 #星組 #小柳奈穂子
— 産経ニュースWEST (@SankeiNews_WEST) October 12, 2018
まとめ
本公演の合間の期間に専用劇場以外の劇場で上演されている、《別箱公演》についてご紹介いたしました。
別箱公演は、お芝居が主体のものや海外ミュージカルなど、中小劇場ならではの規模を生かした作品が上演されます。
公演形態は、バウホール公演や東上公演の他、コンサート・ディナーショー・全国ツアー・海外公演など多岐にわたります。
組のメンバー全員が出演する大規模な本公演とは違った雰囲気を楽しめるのが醍醐味。
別箱公演のチケットは、宝塚友の会の他、各劇場のチケットサービスにて先行販売されることもあります。
各劇場の公式サイトもチェックしておきましょう。
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